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ライブラリー・アカデミー始まりました [出版流通]

はい、2009年度のTRCライブラリーアカデミーが始まりました。
そもそもこのblogの始まりは2008年度のライブラリー・アカデミーだったので、
約一年なんとか続けてきたことになります(まあ、月三回の更新で
blogと呼べるのかは疑問ですが)。


今回は、ここ何年か関心のあった出版流通の講座があったので、迷わず申し込みました。
会場では、以前の職場でご一緒した方や、2008年のライブラリーアカデミーで
ご一緒した方々に会えて、嬉しく思いました。今回も助け合っていければ、
きっと無事修了できるはずです!


さて、この講座は講師が毎回変わります。第一回の講師は、永江朗先生です。
わたしは「不良のための読書術」(文庫じゃなくて、最初の本)の表紙のような方だと
勝手に頭の中で思っていたので、さわやかな感じにびっくりしました
(そりゃそうですよね、そんな人見たことない。よければ検索してみてください)。

・「不良のための読書術」 永江朗著  筑摩書房
出版年月 1997年5月  ISBN 978-4-480-81602-3


テーマは「出版・流通のここがポイント‐本が読者に届くまで‐流通の話」です。
最初に「地方小出版物流通センター」の社長・川上さんの
「流通の自由なくして言論の自由なし」という言葉を紹介されました。
本は作るだけでは伝わらないものであり、作りそして流通させることは
民主主義の基盤である(図書館ももちろんその一翼をになっている)というお話でした。

次に出版・流通の中で主に取次ぎの仕事について説明してくださいました。
わたしは知らなかったのですが、日本の取次ぎは書店からの売り上げの回収など、
金融の機能も有していて、世界でも例を見ない発達をしているのだそうです。
また、原則としてどんな本も選別しない(選別は言論の自由に抵触するから)ことが、
一年間の新刊の点数が(ムックも含めると)8万点にもなるという点数増加の
一因でもあるということでした。

そして、再販制度と委託制度が結びついて生まれてきた問題点について
教えていただきました(供給過剰・自然な需給のバランスが取れていない、
本の短命化に繋がっている、返品率があがる、パターン配本による書店の
無個性化、など)。
また、それらの問題に対して、責任販売制(書店マージンを上げて返品には
ペナルティを課す、など)を取り入れたり、ヴィレッジ・ヴァンガードのように雑貨などの
粗利の高いものと組み合わせて展開したり、中小書店が共同仕入(ネット21など)を
行うなど、様々な試みが少しずつ行われるようになってきたそうです。

・ネット21
http://www.book-net21.com/top1.htm


その試みのうちの一つだと思うのですが、先生は著書を「非再販本」として
一冊出版なさったそうです。行動する作家ですね、すごい!

・「本の現場」  永江朗著  ポット出版
2009年7月  ISBN978-4-7808-0129-3  税込価格 1,890円



新刊洪水や売上の減少、中小書店には本が届かない、などの
ここ数年の状況について、誰しも「これで大丈夫」とは思っていないはずなのに、
良くなる気配がない。
今まで私は、出版流通に関わる人から、「新刊点数が多いのは文化の多様性を示すものであり、
抑制する必要はない。再販制がなくなれば文化の多様性は保障されない。」
という言葉を10年以上も繰り返し聞いてきました。
「流通の自由なくして言論の自由なし」とはいうけれど、私には、新刊点数の増加によって
かえって言論の自由が失われている気すらします。
読者の立場からすれば、近所の書店がつぶれたとか、欲しい本がすぐに
品切れ重版未定になって手に入らなくなる、などという状況がありますよね
(もちろん、新刊点数の増加というのは様々な問題の顕在化したものであり、
その大元には再販制・委託制やその他まだまだ私の知らない問題が潜んでいそうです)。
これでは本末転倒で、いつか業界全体が共倒れになるのではないかと
思っていました。優れた本が出版されなくなれば、図書館ももちろん共倒れです。

永江さんは「新刊点数を抑制すると僕みたいな著者は本が出せなくなる」と冗談まじりに
おっしゃり、また「再販制と文化の多様性は関係ないかもしれない」とおっしゃって、
再販制のないアメリカでの本の流通事情などもお話くださいました。

また、一般的に言って編集者の年収は高く、書店員の年収はとても低い、
ということにも触れられました(わたしは著者の原稿料が低いのではないか、
ということも気になります)。
今まで出版流通に関わる人たちの収入のバランスに触れた話はあまりなかったので、
これも興味深く聞きました。もっと詳しくお聞きしたかったです。


今回の話では、再販制・委託制などの問題に声をあげ、行動を始めた業界の
一部の動きを知ることが出来ました。
ぎっくり腰をおして時間も超過してお話くださった永江さん、ありがとうございました。

出版流通については、勉強不足で理解できない部分も多くあるので(っていうか
殆ど真っ暗闇状態です、手探りも甚だしい)、これから三ヶ月の間に、少しでも
理解が進めばと思います。

あー、なんか久しぶりに脳みその違うところ使った気がする。













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nerinuku08

こんにちは!いまごろコメントつけてすみません。
ライブラリーアカデミー08から1年過ぎましたね。
早いですねえ。
「脳みその違うところ」ビシビシ使っていたなあ。

フィンランド紀行、楽しかったです。
北欧はとても興味のあるところなので死ぬまでに一度は行ってみたいです。
by nerinuku08 (2009-12-04 15:43) 

寄席通い

お久しぶりです!コメントありがとうございます。
フィンランド、すっごくおもしろかったです。私もまた行きたい!

今週もアカデミーです。今まで出版流通に関しては
ふんわりした知識しかなかったので、付いて行けるか
不安もありますが、楽しみでもあります。
でも一人の先生につき一回限りの講義だとなんか
消化不良な感じ。もっと突っ込んだ話が聞きたいなと思いました。

また感想書くので読んでやってくださいませ。

by 寄席通い (2009-12-08 00:55) 

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